SPECIAL! -7/9up-

写真集「私の好きな孤独」発売記念
松田美由紀×片山瞳 特別対談
vol.2
Special1.JPG                                    構成:安部実奈

写真集「私の好きな孤独」には、美しすぎるほどのエロティシズムとともに、
女性なら共感せずにはいられない、寂しさや痛さがいっぱい詰まっている。
美由紀さんの頭の中にある「寂しさ」を表現するのに、
瞳さんが悩み、行きついた思いとは?
写真集から、人との関係について発展した、二人の対談、2回目をお送りします。

「美由紀さんから寂しさや悲しみが伝わってきて
なんとか、愛したい、伝えたいと思っていた」

:2年間美由紀さんと向かい合ってきて、撮影をするほどに、美由紀さんの寂しさや悲しみみたいなものが、流れ込んでくるような感覚になったんです。その寂しさとかは、私が今まで味わってきたものとは全く違ったもので。こういうことを思ってる人なのかなって、その日の撮影が終わって家に帰って、ずっと美由紀さんのこと考えたりして。なんとか、美由紀さんという人を愛せるように、愛情を伝えられるようにしたいなと思ってました。
写真集の中で、瞳ちゃんが表現したものは、美由紀さんの孤独?
:美由紀さんと向き合った時間の中で、美由紀さんから伝わってくる、寂しさや悲しみを、自分の中で咀嚼して、体現しようという思いが、一番大きかったと思う。
:孤独感って、悲しい顔すれば解消されるものではないし、だからといって笑ったりはしゃいだりしても、その人にある悲しみや寂しさって、消えるものではないよね。だからこそ痛くて、淋しいんだと思うの。写真集の中で、瞳には悲しぶらないでほしかったし、無理して笑わないでほしかった。自分に向かって行ってほしかったの。
:結果、ほとんど笑っている写真がないですよね。
:私自身の孤独について言えば、私はずっと孤独から逃げているように思う。ほんとはすごく怖がりで、孤独になりたくないって願望がすごく強いんじゃないかなって。子供を作ろうとしたのはそういう思いからだと思うし、友達がたくさんいるのも、そこにつながっていると思う。結婚もせず、子供も作らず、友人も少ないままに、平気でいられる人は、私から見たら、逆に強いなって思う。
:美由紀さんは、小さい頃から家族に恵まれて、若くして結婚して子供も作って、いつも周りに人がいて、逆に「ひとりになりたい」と思ったりすると思ってた。
:何故だか分からないけど、子供の頃から孤独感を持って生きてきたんだよね。ずっと、今から逃げたいと思っていたし。現在それを克服しているわけではないけれど、「ひとりになりたくない、だから自分という分身を作りたい」という欲求にシフトしてきているんじゃないかなって。だから、子供を作りたいと思ったし、表現作品という自分の分身を作っろうとする部分があるんじゃないかな。
「子供の頃から感じていた孤独感」ってどんなことなんでしょうか?
:大人なんてうそつきだって、ずっと思っていたし、世の中はフィクションだらけだって思ってたのね。ホンモノを見たいってことばかり考えてた。
:「ホンモノ」って、何ですか?
:実は、私自身、今でもそれが何か、分からないの。でも、「ホンモノが何か」を突き詰め過ぎたことで、バランスを崩して、クレイジーになってしまったり、宗教に依存してしまったり、体を壊してしまった人がいると思う。私は、宗教にもハマらず、クレイジーにもならず、ぎりぎりでバランスを取りながら、ホンモノを探すことをずっとやっているんだよね。精神のバランスを崩したり、体を壊すって事は、簡単だって思う。バランスを崩す、ダメな自分、みたいな偶像を立てて、それを盾にしてるとも言えるじゃない?甘ったれだなって思う。現実社会に真実はあるわけで、答えがあるって思う。
:「ホンモノ」を見つけられないことで、バランスを崩すってことに、逃げてしまう人が多いのかも。
:瞳と撮影をしながら、さっき話した、「道」じゃないけれど、お互いのそれが、スッと開通し合う一瞬があるんだよね。私はそれを、真実であり、ホンモノだと思うの。
:あ、なんだか理解出来たような気がする。
:でも、一瞬なのよね。本当に一瞬光が射すような感覚。次の瞬間には途切れて、消えてしまうの。そんな一瞬のものなんだけれど、それを一回経験してしまうと…
:求めずにはいられない。
:そう!求めずにはいられないの!その、光の道が心の暗闇の底に射した瞬間、とてつもない幸福を味わうの。それまで感じていた孤独感も一瞬だけ消え去る。でも、すぐにそれは消えてしまうのよ。
:美由紀さんにとって、人生でそれをしあえた人って、いっぱいいますか?人によって、光の種類が違うのかしら?
:そうね。光の色や強さが違うかもね。でも、いつも通わせようと、努力していると思う。子供たちに対しても、ものを作る時にも。光の質もいろいろあるわけで、そうすると嘘事なんて、やってる暇ないでしょ。そんなことしているうちに、あっという間に寿命を迎えちゃうよ(笑)。
:光の道を交わし合える快感を味わえたことは、最高の幸せでもあり、不幸でもあるかも(笑)。
:上質であればあるほどにね(笑)。


(最終回~7/14UP~に続く・・・) 


表紙2.JPG
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